『結果論』

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#8 第1章 人はなぜ“後出しジャンケン”を好むのか ── 心理学的背景と意思決定プロセスの盲点

1-1 後知恵バイアスの正体 1-1-1 出来事を「当たり前」に再解釈する脳の仕組み 人は何かが起きたあとで、その結果を「最初から分かっていた」と錯覚しがちだ。これは記憶の再構築機能に起因する。脳は事後情報を優先して取り込み、...
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#7 序章の6: 読者への問いかけ

ここまでの内容を踏まえ、あなた自身に問いかけてほしい。 1 あなたはこれまで、どれだけ「後からなら言える自分」に甘えてきただろうか?  ・ 会議やプロジェクトの場で、本当にリスクを洗い出し、行動を起こしていただろうか? ...
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#6 序章の5:本書で身につけるべき視点──先読み思考への転換

5-1 未来を「もう起きたこと」としてイメージする逆算思考  未来を漠然と描くだけでは、行動は迷走しがちだ。本書が提唱する逆算思考では、ゴールをあらかじめ「既に達成された過去」として捉える。  ・ 目標到達のイメージをディテー...
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#5 序章の4: 具体例で見る「結果論の落とし穴」

ケース① 新規事業立ち上げプロジェクト プロジェクト概要:ITベンチャーが新サービスAを半年で市場投入し、顧客の定着率が伸び悩んで撤退したケース 落とし穴1:企画段階での不安材料を軽視し、失敗後に「ほらね」と結論  ・市...
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#4 序章の3: 結果論に溺れると何が起きるのか

結果論に頼るほど、組織も個人も前進のエネルギーを失う。ここでは、両者に生じる具体的な弊害を掘り下げる。 1) 組織レベルの弊害 ・会議が振り返りだけに終始し、次の一手が生まれない── 会議の多くが「何がいけなかったか」の...
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#3 序章の2: なぜ人は後出しジャンケンを好むのか

1) 後知恵バイアス(hindsight bias)のメカニズム 人は結果を知ったあとで、「そうなると分かっていた」と感じやすい。これは後知恵バイアスと呼ばれる心理現象だ。事前の不確実性やリスクを脳が無意識に切り捨て、起きた結果をあ...
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#2 序章の1: 日常にあふれる「だから言ったじゃん」

1) 会議終了後の決まり文句──「あのときこうすればよかった」 プロジェクト会議や定例ミーティングの終盤、よく耳にするのが「結局、あのときこうすればよかったよね」というフレーズだ。新たなアイデアや問題提起が一巡し、議論が煮詰まった瞬...
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#1 『結果論 〜だから言ったじゃん〜』

はじめに 私はこれまで、数えきれないほどの「あとからなら言える」という言葉を自分自身に浴びせ、また同僚や部下にも向けてきました。新規事業の企画会議で、検証フェーズを先送りして痛い失敗を経験したときも、投資判断を迷って大きな機会損失を...
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