#4 序章の3: 結果論に溺れると何が起きるのか

結果論に頼るほど、組織も個人も前進のエネルギーを失う。ここでは、両者に生じる具体的な弊害を掘り下げる。

1) 組織レベルの弊害

・会議が振り返りだけに終始し、次の一手が生まれない──

会議の多くが「何がいけなかったか」の検証に偏り、結論は過去の反省に終始する。こうなると、新たな提案や行動計画が後回しになり、実行サイクルが停滞する。

・失敗事例ばかりが共有され、安全圏から動けなくなる──

失敗を過度に強調すると、チームはリスク回避的になり、「まず小さく試す」マインドすら萎縮する。結果、革新的なアイデアやチャレンジは芽を出せず、競争力低下を招く。

2) 個人レベルの弊害

・チャレンジ意欲の低下と「失敗回避」の心理的コスト増大──

「また失敗したら責められるかもしれない」という恐怖が行動を縛る。リスクを取ることへの心理的ハードルが高まり、結果的に成長機会を自ら遠ざけてしまう。

・自信喪失による決断力の減退──

過去の失敗ばかりに目を向けると、自身の判断力への疑念が生まれる。小さな意思決定でも「本当に正しいのか」と迷いが生じ、迅速なアクションができなくなる。

これらの弊害は、いずれも組織の革新力と個人の成長意欲を削ぎ、平凡な“後付けの安全策”に甘んじる温床となる。本書では次章以降、結果論から脱却し、未来を主体的に切り拓くための具体策を示していく。

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